チャンス発見のデータ分析―モデル化+可視化+コミュニケーション→シナリオ創発
現在KSK-solでもオープンソースを活用したBI(ビジネスインテリジェンス)の企画・開発を進めています。しかし、BI・データマイニングは万能の意思決定システムではありません。やはり限界があるといえます。例えばそれは、次のようなパターンの場合。
①「スルメはビールと一緒に売れることが多い」(当たり前ではないか!)
②「ビールは牛乳と一緒に売れることが意外に多い」(それは少し意外だ)
③「ビールと野菜を買う人は、魚も買うことが多い」(理由を教えてくれ)
つまり
①当り前でもともと知っていた知識
②意外だが興味を引かない、すなわち意味の少ない知識
③理由を知りたいほど興味を感じるが、背景の文脈が分からないため使えない知識
をコンピュータが出力する場合がほとんどであり、ビジネスに活用できないということです。
本書は、この問題にKey graph(polaris)といったシナリオマップで、人間の経験も加味したチャンス発見、ひらめきのメカニズム解明に取り組んでいます。豊富な参考文献から、データマイニング・テキストマイニング・AI・経営学等の視点より内容の割に分かりやすく書かれています。データマイニングが広まって約10年、現在はまだコンピュータはあくまでツールであり、そこからどのようなシナリオを作り、未来を予測するかはヒトの領域ということでしょう。
本書は、今後の参考になる良書でした。「チャンス発見学」というジャンルにも強く惹かれました。面白い。