Pentahoを中心に日本でもオープンソースのBI(ビジネスインテリジェンス)が広まってきました。Gartnerは2012年にかけてこの市場は5倍に成長するだろうと予測しています。Gartnerの予測が100%的中するとは限りませんが、Pentahoは2010年度で前年比約150%成長するようです。このペースで行くと、大きく外れることはないように思います。
ただ、まだオープンソースBIについて誤解をされている方が結構いらっしゃいます。また競合他社も自社の顧客をガードするために、オープンソースBIについて間違った言及をすることがあります。
例えば以下のような...
“オープンソースBIは、商用BIの一部の機能しか持っていませんよ。”
確かに10年前のオープンソースBIはそうでした。ETL(Kettle), OLAP(Mondrian), レポート(Jfree report),データマイニング(Weka)など個別のプロジェクトが存在しているだけでした。2005年にPentahoができ、これらが統合されました。現在は、フル機能のBI Suiteが提供されるようになっています。
“オープンソースBIはダウンロードされているだけで商用では使われていませんよ。”
これは20年前の考え方です。今は商用でもバリバリと使われています。これはBIに限らず、すべてのオープンソースに当てはまります。特にオープンソースBIは、金融・通信・小売など特に大手企業での導入が増えています。
“商用BIは何千もの顧客で実績があります、オープンソースBIを使うことで失敗リスクを高めたくないでしょう?”
商用BIツールの方が失敗リスクは高いといえます。BIプロジェクトにおける失敗とはなんでしょうか?ほとんどの失敗は、BIシステムを完成できないことではなく、BIシステムをエンドユーザーが活用しきれないことです。この原因になっているのは、1)コンサルタントやSIerのBI活用ノウハウの不足、2)ユーザーへのトレーニングやサポートの不足、3)ビジネス環境の変化への対応不足、などです。特に2)についてはソフトウェアを買うことに予算が回ってしまい、活用するための予算が取れていません。3)についても一旦業務システムのようにガチガチに構築してしまっては、柔軟な変更ができません。オープンソースBIは、低額なコストとフル機能のBIスイートで、これらのリスクを大幅に緩和することができます。
“オープンソースはセキュアではありません。大切な情報をオープンソースBIによって漏えいしたくないでしょう?”
これは典型的なFUDです。FUD とは、不安(Fear)、不確実(Uncertainty)、不信(Doubt)。競合相手が自分達のものより優れていて、しかも価格も安い、つまりは自分達の製品では太刀打ちできない製品が発売されるときに利用されるマーケティングのテクニックです。
“オープンソースBIを導入したいなら、ソースコードを触らなくてはなりませんよ。”
そんなことはありません。ソースコードを触ることもできますが、ほとんどのお客様は実行形式を希望されます。また、エンタープライズ版では、商用以上のさまざまな配布形態(Win/Linux/Mac、32bit/64bit、インストーラーかマニュアルデプロイ)が用意されています。
“オープンソースBIは、コミュニティのエンジニアが片手間に開発しているんです。誰も動作を保証してくれませんよ。”
これも良く誤解されるのですが、例えばPentahoでは製品の開発はPentahoのフルタイムのスタッフが開発しています。サポートもフルタイムのサポートエンジニアが行います。エンタープライズ版ではすべてのソフトウェアの動作が保証されています。コミュニティのメンバー(世界で約2万人)だけで開発することもありますが、ほとんどは情報共有や検証、ローカライズなどで協力しています。
“世の中にFree Lunch(タダの御飯)なんてありえませんよ!”
その通りです。ビジネスインテリジェンスの開発には多くのお金がかかります。これを維持するためには収益を上げることが必要です。しかし、コストパフォーマンスの良いBIはあります。安くておいしいレストランは派手な広告宣伝を行わなくても、口コミでその評判が広がり来客が絶えません。オープンソースBIも今まさにこのような状況になりつつあります。これはどのビジネスにも言えることですが、「良いものを良い値ごろ感」で提供することが重要なことだと思います。